七月上旬
Japanese-Language Contents
【お知らせ】
更新速度が週刊以下になっております。小ネタは、ワープボードもチェックすると吉かも。
990704a[ NAGOYA-TOUR-2st / 大名古屋金鯱紀行その弐 ] (990705執筆)
990703a[ NAGOYA-TOUR-1st / 大名古屋金鯱紀行その壱 ] (990705執筆)
どこか遠くで警報が響いていた。まるで海底から響いてくるような。いや、ちがう。海底にいるのはオレの方だ。海底に沈んだオレの意識に、遠く水面から警報が響いているのだ。
んー? 目覚ましのベルじゃない呼び出し音が鳴っている?
なんの音なんだろう? 久しぶりだなぁ。んー? あーPHSかー? なんでPHSが鳴っているんだろう?
「もひもひ......」
「GTだけど」
「あー、どったの?」
「7時半の、のぞみのチケットとれたから、これに乗るよ」
「はー? どっか行くの?」
「岡山は、えーと、9時10分だ」
「ほえ? 岡山に来るのー?」
「ねぼけてんのか!?」
「うん......」
「うん、ってなぁ。オイ、お前は9時10分に岡山駅に到着できるのか? それとも、次ので来るのか?」
「へ?」
「へ、じゃない! オレとお前は、名古屋に結婚式の二次会に呼ばれてるんだよ。今日なんだよ! オレは名古屋駅でまってればいいのか!」
「......あ!」
その瞬間、頭の奥底で鳴り響いていた警報がついに閾値を超え、オレの意識は、一気に、水面まで浮上した。
そういうわけで、起床したのは朝の7時なんだけども、朝の3時までチャイナドレスのオネーサンが横に座ってくれるスナックで飲んでいたような記憶があるのは遠い昔の夜の夢なので秘密なのだった(意味不明)。とにかく、アルコールは抜けてない上に、頭が痛いのだった。しかも、旅行の準備は整っていないという最低の状態だわ。
とにかく、風呂に入って脳を覚醒させること5分。やっと目が覚めたんだけど目が覚めた瞬間に「もぉ間に合わないんじゃ?」ということに気付いたりして。すでに手遅れ。
というわけで、部屋にとってかえして、実家から送られてきた夏スーツを取り出して試着してみるんだけど、うーん、悲しいかなウェストあたりに危機感が。これでも4月から5kg痩せているわけで、2週間前なら「危機感」どころか、物理的に着ることが不可能だったろうな。(前の日までに確認しておけよ>オレ)
というわけで、3月に新調したスリーシーズンのチャコールグレーのスーツを持っていくことにする。うーん、しかし冷房きいてない場所でこれを着ると、10分ぐらいで暑さで死ぬかもな気がする。う、こいつは5kg痩せたせいで、ウェストがたっぷり余る。ううう、本来2タックなのが、いったい、何タックになるんだ? ま、いいか。
とか、いいながら、巨大リュックに、スーツ、革靴、ウクレレ、CDプレイヤ、デジカメ、双眼鏡、IXY、「封印再度」、着替下着類、薬歯磨きetc...を放り込んでパッキング。
んで、Tシャツ、綿パン、綿シャツ、黒キャップ、スポーツサンダル姿で玄関を出る。
おいおい、豪雨、じゃないか!
巨大リュックが入るザックカバーを持っていないので、部屋に戻って岡山市指定(ではない)ゴミ袋を持ってきて、すっぽりかぶせる。んで、超はっ水パーカーと、タダのナイロン雨具ズボンを装着して、自転車で岡山駅に向かって突っ走るのだった。スタートは8:00。なーんだ、余裕ぢゃん。
と、いうわけで、通常なら速ければ30分、遅くとも40分間で到着するはずの岡山駅に到着したのが1時間後だったりするあたりが、豪雨の恐ろしさなわけだ。「余裕」どころか、限りなく時間がない。
途中、超はっ水ではないただのナイロンの雨具ズボンは、耐水限界を超えて、怒涛のごとく浸水開始してしまって、雨具を脱いだら股間を中心に綿パンは色がかわるぐらいぐっしょりと濡れていて「とってもやばい状態」な雰囲気なのだった。
んがしかし、そんなことを考えていられない午前9時ジャストなわけで、博多駅からGTが乗った「のぞみ」が到着するのが9時10分。のぞみだけに、オレは何らかの方法で、指定券を買わないといけないのだった。
「とりあえず入場券で飛び乗って、車掌に頼んで指定券とってもらう」という手が使えるような気がしたのだが、相手は「全席指定ののぞみ号です。のぞみ号特急券もってないやつはつまみだすぞ」とアナウンスする(しないしない)JRだけに、姫路あたりでつまみだされたらシャレにならないので、みどりの窓口に直行するのだった。
岡山駅のみどりの窓口は、合理的に「フォーク並び」(全員が一列に並んで、あいた窓口に進む方式)なので、なんとかなりそうな気配を漂わせていたのだが、「次がオレ」の状態になったのが、9時5分。窓口は5個、そこで、なんか、ジジババ4組が小銭を出し始めたりしたのだった! 合理的フォーク並びも、瞬間最大風速的に窓口数と同じ人数の困ったちゃんが登場すると、いっきに流れが止まってしまうのだった! あ、ああああああ!
オレの順番が来た! 9時6分! 「9時10分の、のぞみ。指定券、禁煙、禁煙、禁煙席!」と、チケットを受け取ったのが9時7分。
チケットを口にくわえておつりを財布に収納しつつ、ダッシュ開始。そのままチケットをくわえたまま、両手を最大限に振って、階段を3段ずつ駆け登り、改札を抜け、階段を4段ずつ駆け登る。目の前に白い車体。開いているドアに飛び込む。5秒後にドアがしまる。
はぁ、間に合った!
(かけ込み乗車はおやめくだされ>オレ)
と、いうわけで、なんとか「のぞみ」には乗れたのだが、息が整うまで軽く1分以上もデッキでぜーぜー肩で息をして「なにこいつ?」という目で見られてしまったのはオレなのだった。しかも、全身、汗だか雨だかでぐっしょり濡れている。
たっぷり深呼吸して、とりあえず自分の座席まで、揺れる通路をよろよろ進むのだった。そして、オレの席には、隣の席で熟睡しているお兄さんの(たっぷり濡れた)傘が立てかけてあるのだった。シートには濡れしみが。そして足下にはこじんまりとした水たまりが。
普段「温厚なオタク」でとおっているオレであるが、一皮むけばキレがちなヒステリ気質を隠し持っているので、心拍数が上がっているのにものを言わせて、熟睡中のオニーサンの脇腹あたりにケリの一発でも入れてやろうかしら? とか1/256秒ぐらい考えたんだけど、まー、そんなことしてもちっとの楽しくないので、とりあえずリュックの中から短パンだけとりだして、リュックを網棚に上げて、GTを探しに車内縦断の旅に出るのだった。
オレの座席の5号車から、GTの乗っている13号車までは、途中にグリーン車を挟みながらの小旅行で、「こんなに列車の中をうろうろ歩くのって、中学の修学旅行以来かしらん?」とか思うのだった。(うそだけど)。
途中の洗面所で、濡れた綿パンを短パンにはきかえて「股間が濡れた綿パンをはいて、短パンを持った変なオニーサン」から「股間が濡れた綿パンをもって、短パンをはいた変なオニーサン」に変身するのだった。って、変身しても「変なオニーサン」のままなのか!?
で、着替えるときに財布の中にチケットを収める。うーん、名古屋まで2万円弱もするのかー。うーん? どう考えても高くないか? チケットを取り出して眺める。「岡山<=>東京」。がーん!
たしかに、みどりの窓口で「名古屋まで」と言った記憶がない。聞かれもしなかったから、大丈夫だと思いこんでいたが、何も言わずに「のぞみのチケット!」といえば、終点までになってしまうのは世の常なのだった。がーん。
自分ミスということで、泣き寝入りしてみようかと思ったのだが、東京名古屋間の運賃考えると5、6千円は余分に払っていることになるからなぁ。うーむむむむ。改札とおる前なら、いくらでも払い戻しできそうだけど、改札通ってしまったからなぁ?
と、そこに、「キップを拝見」の車掌さんが!
「あのーすみません、いま、岡山から乗ったんですが、チケットを調べてみたら、みどりの窓口が東京までのチケットを発行してるんです。名古屋までしか行かないんですが」
自分のミスにもかかわらず、みどりの窓口に責任を転嫁するオレなのだった。って、別に「みどりの窓口が間違って発行した」とは言っていないのだ。「調べてみたら、東京までのチケットを発行してるんです」と言っただけだ。そりゃそうだ。東京までのチケットを発行したのは本当だ。それにオレが「名古屋までしか行かない」のも事実だ。つまりは「調べてみたら###だったんです」というあたりに、言外に「間違い」というニュアンスが漂っているのだった。「車内では払い戻しができませんから、名古屋駅の改札の清算口で払い戻してもらってください」と、車掌さんは、ボールペンでチケットに指示を書き付けてくれるのだった。ふふふ。見ると「窓口誤発券」の文字列が。ふふふ、責任転嫁成功(す、すまん)。
というわけで、車掌さんとわかれて、さらに、よろよろと進むのだが、「13号車の14番」だったか「14号車の13番」だったか忘れてしまったことに気付いたのだった。車両番号と座席番号が一つ違いなことしか憶えてない。起き抜けの電話で聞いたきりで、どこにもメモしてないのだからしかたがないのだった。
とりあえず、13号車の14番の席を見ると、おぉGT、しばらく見ない間にずいぶんと髪がやばくなっているではないか! そんなに苦労してるのかー? って、違う人じゃんか!
というわけで、次の14号車の13番の席に到着。おぉ、GTしばらく見ない間に髪のばしたのか? しかも赤い服なんか着て。しかも、スカート! 女装趣味に走ったのか......って、別のおばちゃんじゃないか! うううう。
このまま先頭の16号車まで、なまはげ方式(「悪い子はいねーがー。悪い子はいねーがー」と、一人一人顔を覗き込みながら探す方式。発見したら、もちろん、頭の皮を剥ぐのだ)で探すかなぁ? と悩んでいたら、突如「先頭から5両目だ」というGTの台詞が脳髄の奥底から沸いてくるのだった。あぁ、じゃぁ12両目だ。
というわけで、一度通りすぎた12両目に戻ると、13番の座席にGTが座ってニヤニヤしているのだった。
「あー、トモロみたいなかっこうしたオニーサンが後ろの方から歩いてきたから、声かけようかと思ったけど、固い決意を秘めた足どりでずんずんと前の車両に歩み去って行くから世間に3人はいるというよく似た人かと思って放置したんだよ。ふふふ」とのこと。
GTの隣の席は空いていたので、勝手に座って車内自販機で買ったコーラを飲みながら世間話などをするのだった。
「しかし、鉄道マニアGTなんだから、どうせなら700系の『のぞみ』にすればよかったのにな」
「は? これ700系だよ。300系だとでも思っていたのか!?」
「えぇえええ!?」
飛び乗った時はすでに停車していたし、車体が四角いのでてっきり300系の「のぞみ」だと信じて疑ってなかったのだが、実は、700系のぞみだったのだった。そう言われてみれば、なんだか、窓やら座席やらの細部のデザインが、そこはかとなく「新しめ」である。
「おぉ、700系だったのか! きづかなかったよ。700系は、座席が全部、カモノハシのカバーがついてるとばかり思っていたから」
「......そんなわけないだろ」
京都駅でGTの横の席から、自分の席まで車両縦断の旅をして戻る。で「うう、寝てしまったら寝過ごすかも!」という恐怖と、猛烈な睡魔の戦いを傍観していたのだが、気付いたら名古屋駅に到着するところだったので、どうやら睡魔が勝ったらしい。
というわけで、岡山から1時間半で名古屋に到着。
とりあえず、ホームに出て、荷物をころがしてQV10を取り出して、走り去る700系の尻を撮影してやれ! と構えていると、ポケットのPHSがぶるぶると鳴るのだった。
「もしもしー、ちゃんと降りたかー?」
「おう、いまから走り去る700系の尻を撮影するところだ」
「うーん、オレはどこで待っていればいいんだー?」
「君も、いまからダッシュで先頭まで走って『走り出す700系の顔』を撮影してみてはいかがでしょうか!」
「超イヤ的!」
走り去る700系のクチバシは、なんだかとっても「流体力学の勝利!」な感じがする曲線で構築されてて、陸揚げされたボートの腹を見ているような感じがした。雑誌の誌面とかから感じる「なんか、500系が宇宙人のテクノロジーで作られた新幹線だとすれば、700系って、異次元人のテクノロジーだよねぇ」なイメージは感じないのだった。(どんなイメージだ?>オレ)
というわけで、腹が減っては戦ができないのは世の常なので、食事をすることにする。
「なんか、名古屋なもんが食いたいなぁ?」
「うーん、ういろう?」
「なんで、昼飯に、ういろう、やねん!」
「うーん、じゃー、うなぎパイ?」
「みやげものお菓子から脱却しろ!」
と、いうような作戦会議(なのか?)の結果「味噌煮込みきしめん」を食べることにする。
ずるずるずる。はー、あったまった。味噌で煮込んだ、きしめんだったね。そのままだな。
腹も一杯になったので、さっそく観光に繰り出すことにするのだった。GTは「明治村」に行きたいらしいので、さっそくガイドブックを調達する旅に出るのだった。って、名古屋に到着してから、おもむろにガイドブック買うのか!?
駅の本屋には、雑誌と西村京太郎ミステリと赤川次郎ミステリしか置いてないので挫折。駅の太閤口だかから出て、「生活倉庫」と書いてあるファッションビルへ。
「うーん、だめだ。ここには本屋はビレッジバンガードしかない」
「そうか。よし、わかった」
「おい、トモロ! 『よし、わかった』とか言いながら、すたすたビレッジバンガードに向かって歩み去るな!」
「ばれたか」
「いまお前がビレッジバンガードに行くと、帰りの旅費がなくなるぐらいくだらない本を買うのは目に見えているぞ。それでもいいなら行け」
「おす。我慢するです」
「うむ。ちょっとは成長したらしいな」
というわけで、駅の周囲のコンビニをうろうろして「るるぶ名古屋」を探したのだが、「るるぶ飛騨高山」とか、「オレらが飛騨に行ってどうする!」なやつしか発見できないので駅に戻のだった。んで、駅の外れの本屋で「ぴあMAP」を発見してゲット。駅の中でよくさがせばよかったのかー。
というわけで、名鉄に乗って犬山まで行って、そこからバスで明治村に行けばいいことが判明。電車30分、バス30分。
というわけで、名鉄の新名古屋駅まですたすたと歩く。以前、2度名古屋に来ているオレよりも、初めて来たGTの方が、ちゃんと方向を把握しているのはここだけの秘密なのだが、とにかく、ひたすら歩くのだった。遠い。遠すぎる。東京都庁よりも高いビルとか建ててよろこぶ前にすることがあるんじゃないのかJR!
と、ホームで待っていると犬山方面行きの急行としてやってきたのは、赤い「パノラマカー」ではないか! なんか、ガキの頃の「電車の本」には、箱根のロマンスカーとこのパノラマカーが「かっくいい電車」の両大関として君臨していたようなかすかな記憶が!(うそかもだが。ちなみに横綱は当然「新幹線ひかり号」だね。当時は0系だけど)。
なんか、パノラマカーの顔の部分って、海老っぽいというか、海老のはりぼてっぽいというか。とか眺めている間に、先頭車両の最前列は高校生の野郎に奪われてしまったわけだが、オレ&GTもダッシュで前から2番目をゲット。
うおおおおお。たのしいぜー。単に、電車の前が客席で丸見えってだけで、こんなに楽しいとは! すべての電車をパノラマカーにしてくれー! って、このパノラマカーは前をすべて客席にしてるから運転席は天井の上で、おかげで運転手は乗り降りの際には、車体の上の方にある「ハッチ」を開けて、ボディをえぐって作ったハシゴを登り降りしなくちゃいけないからなぁ。すれ違う新型車両のパノラマカーは、どうも運転席が下の方にあって、中二階が客席になっている観光バス的な構造になっているみたいだな。
とか「電車でGo!」な前方視界を堪能していたら、突如、豪雨が降り出して、フロントグラスは水滴でぼやけるのだった。運転席ではないので、フロントグラスにはワイパーがないので、風景がにじむのだった。
「ううう、ワイパーほしい!」
「そうだそうだ。ワイパー希望!」
とか、フロントグラスに衝突してくるものすごい大粒の雨粒に文句を言っていたオレ達だったのだが、数分後に本質的な問題に気が付く。
「ちょっとまて。オレたちは、こんな豪雨の中、明治村とかをうろうろするのか?」
「がーそ」
犬山駅についてバスを待つ間、雨粒は小さくなったものの、しとしとと降り続け、止む気配は微塵もなし。
明治村行きのバスに乗って、がたがた揺られている間に、睡魔に襲われてオレは眠りに落ちるのだった。なんか、雨に降られて身体が冷えて、居眠りすると風邪ひきそうだなぁ、と思いつつも、上にはおるものは何もないのだった。スーツの上着を犠牲にする、という手もあったのだが、名古屋駅のロッカーの中だし。ううう。ぐーぐー。
(以下、990712執筆))
そういうわけで、明治村到着。ほんの10分ほど居眠りしている間に、住宅地を走っていたバスは山奥(白い靄がたちこめるような)に入り込んでいるのだった。歩いては逃げ出せない雰囲気が濃厚。
「博物館・明治村とは何ぞ?」と思う人は、Webページを見ていただきたいわけで、要するに「取り壊される寸前の明治時代の建築物をひっこぬいて移築しまくった、愛知県の山奥の野外博物館」なわけだ。運営は財団法人だけど黒幕は名鉄さ。
で、細かいことは後日補完するとして(といいながら書かないのだろうが)印象に残ったことだけを列記すれば、
オレは建物にあまり興味がなかったので、汽車と電車に乗って往復するのに興奮していた。GTは、帝国ホテル玄関を猛烈に見たがっていたが(フランク・ロイド・ライトーッ!)、見てみるとたしかに「かっちょええ」という感じだったね。聖ザビエル天主堂で結婚式あげて、帝国ホテル玄関で披露宴するという結婚式場営業しているみたいだが、たしかにその気にさせるよ。ただ、こんなところで結婚式したら参列する人々は一苦労だけどね。
それにしても、途中、とんでもない豪雨が襲ってきてどうしようかと思ったよ。西郷隆盛の弟の屋敷だかを見学して竹林の中の道を市電乗り場に向かって降りていたら、雨が降ってきて、階段の両側を雨水が濁流になって流れ下りはじめて「これは、あと数分で階段全体が水路になってしまうかもー」な感じになって、あわてて階段を下りて、市電乗り場のある広場まできたら、もぉ、小指の先ぐらいあるかというような大粒な雨粒が降ってきて、石畳の上で弾けて、ほとんど噴水状態。
雨がやむまで、札幌電話交換局だの、造り酒屋だかを見学する。豪雨はほんの10分程で何事もなかったかのような小雨になった。なんだったんだー! そんなに日頃の行いが悪いというかーッ!
とか叫びつつ、小雨にけぶる明治の森の中をぐるぐる見て回って、最後はバスの時間ぎりぎりになって走って戻ったのだった。
全身が小雨に濡れて体力を消耗して、気絶的に居眠りしているあいだに、バスは人間界に降りてきたのだった。さらにかっこいいパノラマカーがやってきたが「特急は特急料金が必要です」というようなアナウンスが聞こえたので、敬遠して、次の急行に乗るのだった。パノラマカーにあらず。ちぇ。
というわけで、名鉄駅からまたもやビル建設現場を大きく迂回して歩いて名古屋駅まで戻るのだった。
次の待ち合わせ時間にすでに遅れ気味だったのだが、とにかく宿を確保して荷物をおかないと心配なので、ぴあMAPから安げなビジネスホテルを選んで電話をかけるのだった。
GTが「これがいい」と指定したのは、部屋が22部屋で値段が下から二番目の「名古屋ステーションホテル」である。その隣に、部屋数が200近くて値段が一番安くて、こぎれいそうな別のホテルが掲載されている。
「どうして、こっちのこぎれいそうなホテルにしないんだ?」
「なんとなく」
「こぎれいなホテルが嫌いなのか?」
「いや、そんなことは決してない」
というわけで、オレとしては部屋数が多くて安いホテルに電話してみたのだが、部屋数が多くてこぎれいそうなホテルは部屋が無くて、結局、「名古屋ステーションホテル」になってしまうのだった。うーむ、GTの先見の明なのか、陰謀なのか。
そういうわけで、ホテルを発見するまでに、名古屋駅の裏側でいがいがもがもがと迷った話は省略するとして、とりあえず到着したのだった。
荷物を置いて、濡れた衣服を乾いた衣服に替えて、あーしかしシャワーは浴びたし暇はなし、と思っていると、テガッキーがぶるぶる振動するのだった。
「ちわーっすAEGです。モロさんは作戦行動を予定通り実施されてますか私はそろそろ本山に着きそうです。」などという手書き文字なメールが届いてしまった。「予定通り実施されてますか?」と聞かれれば、それはすなわち「NOとしか言えない日本」なオレなのだった。あわててロビーまで駆け下りるのだった。あ、でも、まだGTが着てない!
というわけで「いま名古屋駅、ちと遅れ気味」とかいうメールを書いて送信するオレなのだが、書き始めた時点では、まだ、ホテルのロビーにいた気がするので(すまん)、ある意味では「いまでました!」というソバ屋の出前的なウソだったのかもしれないのだが、けっきょく電波が回復して発信したのは名古屋駅に着いてからなので、ウソではなかったのだ。本当の反対のウソなのだー。これでいいのだ。
で、地下鉄東山線に乗ろうと思うのだが、地下街から改札に入っていがいがもがもがと地下を潜っているうちに、自分が本当に東山線のホームに向かっているのか不安になってしまうのだった。うーん、福岡育ちな人間は同時に「一つの鉄道会社、一つの路線」しか理解できない脳味噌の構造をしているから、地下道をあがったりさがったりしていると、不安になるのだった。
不安なまま、地下鉄に乗り込むのだった。隣の席にオレとGTの共通の知り合いにそっくりな女の子が座っていたので、ついつい観察してしまうのだった。
「うーん、世の中には本当にそっくりな人がいるものだな」(ひそひそ)
「うむ、たしかに。『世の中に3人いる自分そっくりな人』とかいうやつの一人なんだろうね」(ひそひそ)
「そうだね。とすると、オレにそっくりな人間が世界のどこかに、あと二人いるのか」(ひそひそ)
「ん? 自分以外に三人、じゃないのか?」(ひそひそ)
「え? 自分を入れて三人じゃないのか? そうじゃないと四人になっちゃうよ」(ひそひそ)
「四人になって、なんか問題でもあるのか?」(ひそひそ)
「『しにん』が『死人』に通じて縁起が悪いじゃないか」(ひそひそ)
「んんー? 縁起が悪いって話なのかー!?」
「そういえば、自分と同じ顔した人に会うと死ぬんじゃなかったっけ?」
「そりゃー、あんた、ドッペルゲンガーの話とごっちゃになってないか?」
「ドッペルゲンガーといえば、禿げてて、パイプオルガンを演奏するおっさんか?」
「そりゃ、ドップラー総統」
「うーん、話がどんどん脱線してないか?」
「誰のせいだ、誰の!」
とか、訳の分からない話をしながらトッカータとフーガを口まねしだす変な野郎二人組を、くだんの「そっくりな女の子」は睨むのだった。うー、すまんす。
というわけで、とりあえず本山駅に到着したわけだけど、どの出口から出ればN大学キャンパス方面に近いのかさっぱりわからない。
と、PHSにAEGから電話が。地下だから、「ずびばぜん、ぢょっど、ごえがどおぐで、だでぃぼいっでるぼが、ばがりばぜん」状態になってしまうのだった。ずびずば語状態で会話しながら地上に向かって移動。電話の向こうではAEGとfujihiroが作戦会議中。とりあえずバス停まで行って、再度電話することにする。
というわけで、地上に出る。実はN大には2度ほど来たことがあるので、地上に出てしまえばN大キャンパスがどっちにあるのかはわかるオレなのだった。そういうわけで確信を持って歩きだしたオレに向かって「方向が違う!」と断言するGTなのだった。がーん。
って、オレは実は歩きでN大まで行くつもりになっていて、GTは真面目にバスを拾おうとしているだけの話なのだった。とはいえ、なんか本山あたりには「恐怖の七叉路」とかあるので、オレの確信が本当に正しかったのかは謎なのだが。
というわけでバス停から再度、電話。結局、バスでN大まで行ってそこでfujihiroとAEGが同じバスに乗り込んでくる、という作戦になる。出会えなかった場合は、テガッキーでメールするということに。
こういうことになるとメール端末持ち歩いているのって便利だよなぁ、と思う。しかし、よく考えたらあらかじめもうちょっと真面目に待ち合わせ場所を決めればいいだけの話で、携帯メール端末があるおかげで、出かける前に待ち合わせ場所を決めるということをさぼるから話がややこしくなっているだけなのだった。
ということを考察しながら、バスの中からAEGテガッキーに向かって「ひまつぶし、に、ひつまぶし」とか駄洒落なメールを送ってみたりするのだった。AEGは、文面を「バスが来るまでの暇つぶしに、我々が『ひつまぶし』(ウナギの蒲焼きをまぶしたお櫃に入った御飯?)を食べている」という風に理解したとか、しないとかで、ますます事態が混乱するのだった。
以下次号(いつまでたっても「マウンテン」に到着しない)
【マウンテンの看板】
(CASIO QV10A)
そういうわけで、出てくる食い物を見たらとても軽食とは呼べない重食喫茶「マウンテン」に到着したのだった。大学生がサークルのミーティングだの、食事だのに訪れる「安くて量があるだらっとした喫茶店」という風体の店なのだが、甘口系の謎のメニューに挑む人が後を絶たず、知る人ぞ知る喫茶店である。(とオレは思っているのだが、実際のところはどうだか知らない)
マウンテンの甘口メニューに挑む事を「登山」を称するらしいのだが、今回の登山メンバーはaeg,fujihiro,GT,オレの4人である。このうち、aegとfujihiroは、行ってみれば「ベテラン登山家」であり、オレとGTは「アマチュア」である。
そういうわけで登場したのが、
【甘口バナナスパ】
(CASIO QV10A)
まずは、GT注文の甘口バナナスパである。画像で見れば「ふーん、そこそこうまそうじゃない?」と思えるだろうが、その「そこそこうまそう」な外見が罠である。まずもって、とてつもなく皿がでかい。直径30cm......はないだろうが、記憶の中でのそれはLPレコードよりもでかそうな「超巨大な皿に超てんこもり」である。味のついてないゆでたスパゲッティに(はて、味がついていたかも?)、ホイップクリームが載っており、輪切りのバナナとアルファベットチョコ(黒い塊)とチェリーが載っている。(アルファベットチョコのサイズから全体のサイズを類推してくれたまえ。いま、ちょっと計算しようと思ったけど面倒くさい)。
とにかく、甘い。香りが甘い。味も甘い。味なしスパゲッティのもっさりとしてもちもちした食感に、何のアクセントもない漫然とした「甘さ」が迫ってくるというか。で、アクセントとしてアルファベットチョコがかかった部分を食べると、これまた「こんなアクセントならない方がまし!」な気が猛烈にするのである。しかも、熱でホイップクリームとチョコはあっという間に溶けてしまってスパゲッティに混ざってしまってもはや取り除く方法は、無し。
おれは、姿をみた状態では「これぐらい軽いよ」と思ったのだが、その甘ったるい香りで嫌な予感がして、そして一口くって、完全にフォークがとまった。なんとも形容できない、その「う”」という感じ。自分内部の「スパゲッティ」という常識と舌から届く味覚信号の決定的な食い違い。これほどまでに、自分が「視覚情報や常識で食事をしていた」とは思っていなかった。「スパゲッティなのにスパゲッティじゃない」という信号の乱れ。常識が転覆するショックに、まず負けた。
もちろん、単純に甘さ、また味覚によるショックも大きいだろう。人によって甘さへの耐性が異なる。また「味のないスパゲッティを食べて平気かどうか」も異なる。よって、マウンテンの甘口メニューに挑んで「なんともなかった、ふつー」と言って平気で食べられる人もいる。けっこういるはずだ。また「味のついてないスパゲッティ食べるの平気」な人はかなり多いだろう。だが、オレはどうも「味のついてないゆでただけのスパゲッティ」や「マーガリンと塩だけでスパゲッティを食べる」のに慣れていないようだ。
さらなる敗因は「理屈で考えてその載ってるものを見れば、別に食えないわけがない」という予測だ。マウンテンに行ったことがない人で、ここまで読んで「だって、スパゲッティ、つまり小麦粉の上に、ホイップとチョコとバナナでしょ? そんなの、クレープとかホットケーキとかとほとんど同じじゃない?」と思っている人がいるだろう。そう「ほとんど同じ」だが、それは「まったく同じ」ではないのだ。甘い。甘いのだ。そういう考えも「甘い」が、いや、もぉ、ひたすら甘い、甘すぎるスパゲッティの味覚の前にはそういう予測は甘すぎてダメなのだ。
【甘口小倉抹茶スパ】
(CASIO QV10A)
とか、味覚の混乱に冷や汗をたらしていた所に、オレ注文の小倉抹茶スパが到着。これも見るからに「うまそう」だ。抹茶をまぶしたスパに、ホイップクリーム、小倉あん、アクセントに桜桃とチェリー。
一口食って、いや「口に入れた瞬間」、オレは敗北を悟った。負けたのだ、ダメだ。うけつけない。口を締めることを口の筋肉が拒否している。フォークが抜けない。「いま、これを口に入れたままフォークを抜いたら飲み込まねばならない。そんなことは断固拒否する!」という無言の信号が大脳を無視して脊髄経由で右手の運動神経を支配している。
「だって、抹茶味のスパゲッティなんでしょ? ただの」という声が聞こえる。だが、しかし、そんなものは、現実にマウンテンに行って抹茶スパを食ったことがある奴の口から聞かない限り、断固、却下だ。「抹茶味の麺類、いってみれば、茶蕎麦とほとんど同じ」、あぁそうだろうそうだとも「ほとんど茶蕎麦」だろう。だが「ほとんど同じ」と「同じ」はまったく違うのだ。「抹茶にアンコ。それなら生八つ橋とほとんど違わないじゃない」、あぁそうだそうだそうすぎるとも。京都名物、生八つ橋(またの名を「おたべ」)とほとんど違わないのは認めよう。だが、「ほとんど違わない」は天と地ほども違うのだ。「同じ」と「違わない」はいくらスケールをかえても「同じ」だし「違わない」だ。だがしかーし、「ほとんど同じ」「ほとんど違わない」は、スケールが変わることによってその「違い」はゼロから無限大まで伸縮自在だ。
GTは必死になって、もくもくとバナナスパを口に運んでいた。aegもfujihiroも横から手をだして食べていた。だが、オレは小倉抹茶スパひと口目で徹底的に根底から負けていた。挑む気力が無くなってしまった。プライドが木っ端みじんに吹っ飛んだ瞬間だった。
「この、ヘタレ、め」
「ヘタレ(根性なし)」などという罵り言葉を甘んじて受けねばならない屈辱。しかし、これはヘタレと言われても仕方あるまい。別に胃袋の容量を超えたスパゲッティを食べろだの、舌がしびれて身体に危険がおよぶ量の砂糖が入っているわけでもなかろう。そう「材料だけみたら別に食え無くない」ものが、食えないのだ。根性無し以外の何者でもない。
【辛口マンゴーかき氷】
(CASIO QV10A)
口直し系の一つと思われていた「辛口マンゴーかき氷」がこれまた難物だった。まず、巨大だ。画像では背後に片手が写っているからそのサイズから巨大さを類推して欲しい。「背後の片手」は遠近感によって小さく写っていてそれによってかき氷が巨大に見える、というふうにも見えるが、おそらくかき氷の手前に手があっても同じサイズに写るであろうほどにかき氷はでかい。
そして、謎の「辛口」である。食べてみると、マンゴー味でうまい。別にマンゴー特有のくさみがあるとかいうわけではない。トロピカル味でうまい。だがしかし、口にいれた2、3秒後ぐらいに、謎の「辛さ」がやってくる。うーん、別に口の中が燃えるほど辛いわけではない。ピリっとくるわけではないから、マスタード系じゃなくて唐辛子系なんだろうけど、辛い。気にせず食べるつもりがだんだんと気になってくる。aegは「これは口に入れて2、3秒後ぐらいに辛さがくるんですよ。ですから、ひと匙2秒のペースで食べ続ければ、ずーっと甘さだけですから平気です」といいながら、さくさくと食べ進む。まねをしてみる。だめだ、どうしても気になる。「聞こえるか聞こえないかぐらいのかすかな物音が一番気になる」というか。やはり、このかき氷は変だ。どこか狂っている。スパ類が「見るからに狂っている」系とすれば、このかき氷は「一見まともそうなのだが、徐々にその狂気が見えてくる」系である。溶けるに従って、かき氷の頂点あたりの色はじょじょに抜けて「オレンジ色」のマンゴーシロップは下の方に集中してくるのだが、溶けてきた頂点あたりに、「謎の残留物」が残るのだった。おそらく、これが「辛みシロップ」の残骸。fujihiroがそれを口に入れてみたが「唐辛子でないことだけは確かだ」としかわからない。
さすがにうんざりしたのか「そこの方にアイスクリームが入っているので、そこまでは掘りましょう」と、食べ続けていたaegも、横からアイスクリームを掘り出すことに方針転換。だが、横から掘っているとなまじ巨大だけに、かき氷崩落事故が起こりそうで恐ろしいのだった。
【スペシャルカレーピラフ】
(CASIO QV10A)
カレーピラフの上に、カレーがかかっているというピラフ。辛いが、その味はいたってまとも。結局、抹茶スパに挫折したオレはひたすらこのカレーを食いながら「じゃ、そろそろ出ましょうか」と誰かが言い出すのを待っていたのである。単なる「ヘタレ」である。
【戦いの跡】
(CASIO QV10A)
結局、バナナスパは1/5ほど残った。GTは猛烈にがんばった。仮にfujihiroの援護が強力だったとしても、立派に戦った。ひとりで半分は食べたのではないか? 抹茶スパは消えているが、オレではなく、fujihiroとaegの胃袋の中である。大半は最後に一人で挑んだaegの単独行である。「こつこつとがんばる人はどんな大きな目標でもなしとげる」というようなカーネギー金言録が頭に浮かぶような戦いぶりだった。かき氷もかなり消費されたがかなり残っていた、しかし氷だけに溶けて消えた。
そういうわけで、負けたのはオレひとりかもしれん。しかし、しかたがない。どうやっても今回は勝ちようがなかった。しかも、二度と挑む気もない。完敗。
♪かんぱーい、今、君は人生の大きな大きな穴に落ち……
990701a[ daily life / 日常生活(木) ]
∴ 岡山晴れ。
夕方に起床。睡眠不足解消のために寝過ぎて、かえって頭が重い。睡眠不足は仮眠で解消できるが、寝過ぎた場合はどうしようもないのがつらいところだな。
しかし、夜勤というのはどうやっても快適に勤務できないようになっている気がしてしょうがない。自他とも認める昼夜逆転君であったオレであるが、昼夜逆転状態で昼間と同じ密度で仕事をこなすのは難しいものだ。
とか思いつつ宿舎に戻ってベッドに倒れ込むように眠りの世界にダイヴした直後、管理人から電話。「寝る前にお知らせしようと思ってね」とのこと。もぉ寝てたんですがー。
そして、先程「もぉ、起きたでしょう」と起こされたわけだ。うーん、オレの睡眠時間を管理しようとするなってー。
そういうわけで、その後、寝なおしたために睡眠過多になってしまったんだね。とか、他人のせいにしてはいけませんね>オレ。
∴ メリーノストラダムス!
って、ちがうか。
それにしても、永久に来ないような気もしていた「1999年7の月」も、時がたてばやってくるわけで、人間年をとるものね、少年老いやすく、学なりがたし。光陰矢のごとし。(遠い目)。
"Time flies like an arrow."を「時間蝿は矢を好む」と訳したのは、自動翻訳ソフトのCMだったろうか......関係ないか。
そういうわけで、1999年の7月になってしまいましたが、皆様の地方の地球は壊滅しておられるでしょうか? (福岡とか広島とか、一部、雨で壊滅しかけているかもしれないけど)。とりあえず、本日のところ、岡山はアンゴルモアの大王が降ってきた気配はありまえんが、なんとも言えません。週刊マガジンのMMRを刮目して読め! ということで。
それにしても、1999年がノストラダムスで、2001年が21世紀最初の年。間にはさまれて、いまひとつメジャーになれない2000年を盛り上げるためにしくまれたキャンペーンが「2000年問題」なんじゃないか? と思ったりするんですが、みなさん、いかがお過ごしでしょうか? ボクは、ひょっとするかも! とか思って、とりあえず食料でも備蓄しておこう! とサトウのご飯をカロリーメイトを10日分ぐらい買ったのですが、すでに3日分ぐらい食べてしまいましたとさ。やっぱり非常食は平時には食べたくないようなものを用意しておかないと危険ですね(そうじゃないだろう)。